
妊娠初期の出血は実は妊婦さんの約2割が体験しています。
妊娠すると子宮への血流が増加し子宮粘膜に充血が起こりやすくなる為、出血もしやすいのです。
妊娠初期の出血はほとんどの場合は心配のないものですが、その反面、重大なトラブルである可能性もあります。
自己判断で無理をしない為にも原因や対処法を知っておきましょう。
出血してしまったら
どんなに少量の出血であっても、かかりつけの産院へ連絡して指示を仰ぎましょう。
その際に、以下の状況をメモして伝えましょう。
①出血がいつからか
②妊娠週数
③出血の色と量
④お腹の張り、痛みの有無
当日もしくは明日に診察になると思いますが、それまでは安静にしておきましょう。
診察で心拍が確認できるなど赤ちゃんに問題がなければ、あまり心配する事はありません。
出血の原因:あまり心配のいらない出血
治療や安静によって、心配のいらない出血原因です。
ただし無理をすると流産の可能性もある事が。医師に相談し、指示に従う事が大切です。
着床出血
受精卵が子宮に着床する際、子宮内膜についた傷から出血します。
着床した位置にもよりますが、出血量はおりものに糸1本分混じる程度から生理1日目位の量まで人によります。
子宮内で自然に吸収される事もあります。
絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
子宮を包む絨毛膜という膜の外側に血液がたまり、出血やお腹の張りが出る場合があります。
切迫流産の症状の1つで、安静を指示される事があります。
症状が治まり医師の許可が下りれば、安静から通常の生活へ戻っても問題ありません。
月経様出血
妊娠していてもホルモンが妊娠前と同じように働いてしまう事から、月経時のような出血が起こります。
通常の月経時より出血の量は少なく、数日で出血はおさまります。
胎盤が作られる過程が原因ともいわれています。
膣炎・膣びらん
妊娠中はホルモンバランスの影響で膣炎になりやすいです。
また、子宮の入り口がただれていることをびらんといいます。
内診や性交の刺激で出血することもありますが、特に心配はいりません。
ただし治療が必要な場合もありますので、自己判断せずに都度産院へ連絡しましょう。
子宮頸管ポリープ
子宮頸部にできる良性のポリープで、このポリープから出血する事があります。
ポリープが感染症を発症し、それが引き金となって流産や早産を引き起こす可能性がある為、ポリープの大きさや位置によっては切除が必要です。
出血の原因:トラブルが原因の出血
緊急を要するトラブルが原因の出血です。
妊娠の可能性があればすぐに受診する事、少量の出血でも自己判断せず医師に相談する事が大事です。
胞状奇胎(ほうじょうきたい)
胎盤のもととなる絨毛が異常に増殖し、ぶどうのような水泡状の粒が赤ちゃんを吸収してしまいます。
受精卵自体に問題がある事が多く、500人に1人の割合で発症するといわれています。
症状はつわりと少量の出血で、ほとんど自覚症状はありません。
なるべく早く子宮内容除去術を行い、通院して経過を診ます。
子宮外妊娠
参照元: ninshinsyukketu.seesaa.net
受精卵が子宮以外の場所へ着床してしまった場合の妊娠です。
多くは卵管に、時に卵巣や腹腔内に着床が認められます。
妊娠検査薬で陽性反応があり、つわりがあっても、子宮内に胎児が見えないと子宮外妊娠を疑います。
多くは流産となりますが、そのまま育ってしまった場合は卵管の破裂等の危険があります。
母体の命にかかわる関わる危険性がある為、着床部分の切除手術が必要です。
また、もう1つの卵管に異常がなければ次の妊娠は可能です。
最後に
妊娠したばかりの出血で、頭が真っ白になってしまう方もいると思いますが、落ち着いて行動しましょう。
状況をきちんと医師に伝え、指示に従えば、ほとんどの出血は心配はいりません。
妊娠前と違う体調に不安定になったりもしますが、安定期に入れば穏やかな日々を過ごせる方も多くなります。
待ち遠しい安定期まで、お腹の赤ちゃんと一緒にがんばりましょう。